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歴史

二胡は中国を代表する民族楽器で、原型楽器は、唐代にまで遡れるそうです。その頃は現在のように演奏するときに楽器を立てず、横に寝かせた状態で棒を用いて弦を擦り、音を出していました。宋代に入り演奏時に立てて弾く形式が広まりました。その後変遷を重ね、近代になり劉天華等によって演奏技法が高度化され、それに伴い楽器自体も改良が重ねられました。

1920年代、西洋音楽が中国に大量に入り、劉天華をはじめとした音楽家たちは中国の伝統文化と融合させた新しい音楽や奏法を開発しました。劉天華は二胡独奏曲「良宵」、「光明行」など十曲を作曲し、それまで戯曲の伴奏が主体であった二胡に、独立した楽器としての地位を与えました。

二胡の種類

日本では二胡のことを「胡弓」という名称で呼ばれることがありますが、「二胡」と胡弓はまったく別の楽器です。中国では二胡のことを胡琴(フー・チン)と呼び、弦が2本であるため二胡(アル・フー)とも呼ばれています。

胡琴の中にも形状や材料などの違いから二胡、板胡(ヴァン・フー)、京胡(ジン・フー)、高胡(ガオ・フー)、中胡(ジョン・フー)などの種類があり、それぞれ音質が異なります。中でも最もポピュラーなものが二胡で、音程は高胡と中胡の中間になり、様々なジャンルの音楽に適応することが出来ます。琴筒の形は制作地によって六角形、八角形などがあります。

材質

二胡は黒檀や紫檀、老紅木などの木で棹や筒などの本体が作られています。筒の前面にはニシキヘビの皮が張られています。近年は絶滅危機のおそれのある野生動物規制対象となっており、代用皮革が用いられることがあります。弓は竹と馬の尾の毛でできています。

 

演奏法

二本の弦の間に弓毛を挟み、弓を左右に動かしながら弦に擦りつけることで発生させた振動が、駒を伝わり皮が震え、筒の中で反響して音が出ます。

楽譜

二胡楽譜は数字譜で書かれたものが多いですが五線譜の楽譜ももちろんあります。

1234567がドレミファソラシに相当し、休符を0で表現します。

中国では五線譜より数字譜(中国語では「簡譜」と言う)の方が大多数であり、最近は海外との接触が進むに連れて徐々にですが五線譜も使われてきているそうです。

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